知る楽しみ、広がる世界
日本茶 用語集Glossary
言葉を知ることで興味が広がり、
より楽しむことができるように……。
知らなかった小さな発見を重ねること、
知識を深めることも日本茶の楽しみ方のひとつ。
奥深い世界への入り口がここに。
言葉を知ることで興味が広がり、より楽しむことができるように……。知らなかった小さな発見を重ねること、知識を深めることも日本茶の楽しみ方のひとつ。奥深い世界への入り口がここに。
Index
あ
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アミノ酸(あみのさん)
成分
- テアニンを主とするアミノ酸は、日本茶の旨みと甘味を決める成分。玉露や上級煎茶にはとくに多く含まれています。低温でも浸出しやすいのが特徴です。肌、髪、爪、臓器など健康な身体をつくるうえで欠かせない、たんぱく質を構成するための栄養素のひとつで、コラーゲンを生成したり天然保湿因子など美肌になるためのさまざまな成分があるといわれています。
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荒茶(あらちゃ)
茶種
- 茶園で摘んだ生葉を、第一次加工として製茶したもの。仕上げ前の原料茶のこと。水分がやや多くて長期間の保存に適さないうえ、茶葉の長さが不揃いであったり、粉や茎、大きな葉などが混じっていて、そのままでは商品になりません。そのため、仕上げ工場でふるい分けをしたり乾燥をして商品となります。
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一番茶(いちばんちゃ)
茶種
- その年の春に一番初めに摘み取った新芽を収穫した生葉でつくった日本茶のこと。渋味が少なく、旨み、甘味の成分であるアミノ酸が豊富です。収穫時期は産地にもよりますが、4月下旬から5月初旬が多く、初茶、新茶、一番摘みなどとも言われています。なお、摘み採った時期によって一番茶(4月下旬~5月初旬)、二番茶(6月下旬~7月初旬)、三番茶(7月下旬~8月初旬)、四番茶(9月下旬~10月初旬)と呼び方も変わります。
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一煎(いっせん)
淹れ方
- 1回目に淹れたお茶(浸出液)のこと。二煎、三煎とは、二回目、三回目のお茶(浸出液)を表します。
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後ろ手(うしろで)
道具
- 急須の持ち手の型式の一種。注ぎ口の一直線上の位置に持ち手がつく急須の名称。
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上手(うわで)
道具
- 急須の持ち手の型式の一種。持ち手の位置が上部にある急須の名称。土瓶と称することもあります。
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大走り(おおはしり)
茶の特徴
- 新茶の中でも茶摘みの始まったばかりの時期の若々しく 瑞々しい新芽を摘み取った稀少な初もの。爽やかな中にも新茶らしい芳醇な旨み、コクがあり濃い味わいを堪能できます。
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お茶請け(おちゃうけ)
その他
- 日本茶を飲むときに食べるものの総称。お茶請けの本来の目的は「お茶の味を引き出す」こと。日本茶には茶カテキンやカフェインといった胃を刺激する成分が含まれているため、お茶請けを先に胃に入れることで、これらの成分の刺激を和らげてくれるという役割もあります。
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帯網(おびあみ)
道具
- 茶漉しの種類の一つ。細かなステンレスの網が急須の内側を帯状にぐるりと囲んでいるもの。目詰まりしにくく注ぎやすいのが特徴です。
か
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かご網(かごあみ)
道具
- 茶漉しの種類の一つ。取り外しができるかご状の網なので、茶殻が捨てやすく手入れも楽です。
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カテキン
成分
- 日本茶などに含まれるポリフェノールの一種。緑茶の味を印象づける渋味や苦味のもとになる成分で抗菌作用もあります。
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カフェイン
成分
- 軽やかな苦味が特徴。あと味のさっぱり感をもたらしてくれるほか、中枢神経の興奮や利尿などの作用があります。日本茶の場合はテアニンとの相互効果により、おだやかに作用すると言われています。
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かぶせ茶
茶種
- 茶摘み前に茶樹を覆って育てた、玉露と普通煎茶の良さを併せた味わいに仕上げた茶葉。遮光期間は1週間から10日ほど。渋味のもとであるカテキンは通常の煎茶より少なく、旨みの元であるテアニンは多くなります。
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雁ヶ音(かりがね)
茶種
- 玉露や上級煎茶の仕上げ加工の際に茎の部分を集めた日本茶で、一般的には「茎茶」と呼ばれています。 茎の部分には苦味成分が少なく甘味が多くあり、 高温で淹れても苦味が少ないのが特徴です。
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川柳(かわやなぎ)
茶種
- 茶摘みのときに煎茶や玉露よりも大きく成長した茶葉を精製した日本茶。さっぱりしたさわやかな味を楽しめます。
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玉露(ぎょくろ)
茶種
- 日本茶を代表するお茶の一種。敢えて日光を遮り、渋味のもとであるカテキンを減少させ、旨み成分のアミノ酸を増幅させる栽培方法で製造した玉露は、他のお茶と比べて栽培に手間がかかるため、数ある日本茶の中でも一流品とされています。渋味が少なく、旨みや甘味を強く感じるのが特徴です。
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茎茶(くきちゃ)
茶種
- 茶葉の茎を集めたもの。棒茶とも呼ばれています。さわやかな味と香りがあり、旨みが強いのも特徴です。玉露や上級煎茶から採れた茎茶は「雁ヶ音(かりがね)」と呼ばれ珍重されています。
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グルタミン酸
成分
- 旨み成分のアミノ酸の一種。昆布などに含まれる旨み成分として知られています。
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玄米茶(げんまいちゃ)
茶種
- 番茶や煎茶の茶葉と炒った玄米などの穀物を1対1で合わせたものが一般的。炒った米の持つ香ばしい香りが特徴です。
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後発酵茶(こうはっこうちゃ)
茶種
- 茶葉を加熱して酸化酵素の働きを止めたあと、乳酸菌や酵母などの微生物を用いて発酵させたもの。代表的なお茶としてはプーアル茶が挙げられます。
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硬水 (こうすい)
その他
- カルシウムとマグネシウムの含有量が多い水。硬度が高いと、お茶の苦味が抑えられてしまい、苦味、渋味、旨みのバランスが大切な日本茶には向きません。
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古茶(こちゃ)
茶種
- 日本茶の味や香りが古くなっている「古いお茶」という意味ではなく、「新茶」に対する対義語として「古い茶」を意味します。新茶が生産されると、それ以降前年に生産された日本茶をさし「古茶」と称します。
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粉茶(こなちゃ)
茶種
- 玉露や煎茶を精製するとき、粉状に細かくなったものを茶葉からふるい分けて集めたもの。一般の日本茶よりお手頃で、急須でさっと淹れていただくことでできます。
さ
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ささめ
道具
- 茶漉しの種類の一つ。急須そのものに穴が空いているタイプの茶漉しの総称。茶葉が詰まってしまわないように、できるだけ目が細かいものを選ぶのがおすすめです。
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三番茶(さんばんちゃ)
茶種
- 二番茶を摘み取ったあとに出た新芽で製造した日本茶。収穫時期は産地にもよりますが、7月~8月上旬に摘採されます。
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秋冬番茶(しゅうとうばんちゃ)
茶種
- 三番茶の芽を摘採せずに伸ばし、9月下旬頃から10月中旬頃に一緒に摘採し生産されるのが秋冬番茶(四番茶)です。夏の強い陽射しから身を守るために蓄えた「カテキン」「ポリサッカライド」といった成分を豊富に含んでいること、味はさっぱりしていて、渋味が強いのが特徴です。
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新茶(しんちゃ)
茶種
- その年の最初に生育した新芽を摘み採ってつくった日本茶のこと。特徴は、若葉のさわやかな味わいとすぐれた香気で、年間でもっとも品質のよいものとして好まれています。「一番茶」とも呼ばれています。
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浸出 (しんしゅつ)
その他
- 日本茶に湯を注ぎ、成分を抽出すること。浸出した液体を、「浸出液」と言います。
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煎茶(せんちゃ)
茶種
- 緑茶の一種。日常に飲んでいる緑茶の代表。日光を遮らずに栽培し、新芽を使い繊細に加工したもの。本来は茶葉を粉末にして湯でかきまぜて飲む抹茶に対して、茶葉に湯を注いで浸出させて飲む方式「煎じ茶」のことを言います。
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底網(そこあみ)
道具
- 茶漉しの種類の一つ。急須の底全体に、細かなステンレスの網が張られたものです。
た
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玉緑茶(たまりょくちゃ)
茶種
- 緑茶の一種。煎茶と違って、最後の揉み工程の「精揉」をしないため、形が勾玉のように丸い形にできた緑茶のことです。「釜炒り製」と「蒸し製」の2 種類があります。
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タンニン
成分
- 日本茶に含まれるタンニンは、植物の葉などに含まれているポリフェノールの総称のこと。日本茶の渋味成分です。一般に、多日照下の栽培ではタンニンの量が多くなり、遮光下で少なくなります。
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茶殻(ちゃがら)
その他
- 急須で淹れて日本茶を飲んだときに出る残り茶葉。 料理に使って味わったり、茶香炉で茶殻を焚いて家の中をほのかな茶の香りで満たすなど、さまざまな活用方法もあります。
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茶菓子 (ちゃがし)
その他
- お茶請けの菓子のこと。上級な和菓子だけでなく、気軽に食べられる庶民的なお菓子を指すことも多いです。
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茶托 (ちゃたく)
道具
- お客様にお茶を出すときに、湯呑みをのせるために使う平らな台皿。「お茶がこぼれてお客様の服が汚れないように」、「湯呑みの口をつける近くに、指が触れることのないように」などの意味合いで使用するほか、テーブルからの冷気を遠ざけて飲み物を冷めにくくします。
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テアニン
成分
- アミノ酸の一種。日本茶に含まれるアミノ酸の半分以上はこのテアニンです。茶の旨みや甘味の成分で、抹茶や玉露に多く含まれます。脳の神経細胞を保護し、興奮を鎮めたり緊張を和らげたりする働きがあります。
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手摘み(てつみ)
生産・加工
- 日本茶の摘採方法の一つ。新芽をみながら人の手で丁寧に摘んでいく手摘み茶は貴重です。機械摘みでみられる葉切れや、古葉や木茎の混入がほとんどなく、雑味が少ないので、よりスッキリした味わいを楽しめます。外観的に品質が優れているのも特徴です。
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手揉み茶(てもみちゃ)
茶種
- 蒸した茶を人の手で揉んで仕上げる製茶法。手揉み茶を作るのは簡単ではなく、熟練した人が身に着けた技術を使って行います。名人が作った手揉み茶は濃緑色でツヤがあり、針のように鋭い形のものに。このお茶を淹れると、茶葉が元の生葉に戻ったようにきれいに広がります。
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出物(でもの)
茶種
- 煎茶を仕上るときに、荒茶から取り除く副産物として出てくるもの(茎茶、粉茶、 芽茶など)。煎茶と比べると値段もお手頃です。
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碾茶(てんちゃ)
茶種
- お茶の葉を蒸して揉まずに乾燥させたお茶。抹茶の原料となります。臼で挽いて粉末にすると抹茶となります。
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特蒸し茶(とくむしちゃ)
生産・加工
- 生茶葉から煎茶を作る最初の工程である蒸しの時間は一般的には30秒~40秒ですが、深蒸し茶はその倍の60秒~80秒ほど蒸します。更に180秒前後まで長く蒸した日本茶を「特蒸し茶」と言います。蒸すことにより渋味が抑えられ、また葉が細かくなり、抽出すると濃い緑色でまろやかなコクがあるのが特徴です。
な
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生葉(なまは)
茶の特徴
- 製茶前の茶園で摘んだ茶葉のこと。茶摘みの後、生葉を蒸す、炒る、揉む、乾燥するなどの加工を経て日本茶の原材料である「荒茶」となります。
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軟水 (なんすい)
その他
- 日本茶を淹れるときの水は硬度30~80の軟水が適しており、日本の水はほとんどが軟水なので、水道水もお茶に適した水と言えます。軟水を使うと成分が出やすく、旨み・渋味・苦味のバランスがよいお茶を淹れる事ができます。※WHO(世界保健機関)が定める基準では硬度120mg/?未満が軟水を指します。
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二番茶(にばんちゃ)
茶種
- その年、2回目に出てきた新芽で作ったお茶のこと。一番茶から約50日後に(一般に6月下旬~7月中旬にかけて)生産します。一番茶に比べカテキンが多く含まれるため、渋味が強くなります。
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野点(のだて)
その他
- 野外で抹茶を点てて楽しむこと。野外で行う茶の湯。野点は屋内のお茶会と比べて難しい作法がなく、気軽にお茶会を楽しめるのが特徴です。
は
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八十八夜(はちじゅうはちや)
その他
- 立春から数えて、88日目にあたる日のこと。一番茶の摘採期に当たり、この時期に摘んだ日本茶は味と香りのバランスがよく品質のよいお茶とされます。栄養価が高く、不老長寿の縁起物とも言われています。
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発酵茶(はっこうちゃ)
茶種
- 茶葉を完全に発酵させ、揉みながら乾燥した茶。代表的なものは紅茶で、赤褐色の茶は緑茶に比べとても香り高いのが特徴です。
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半発酵茶(はんはっこうちゃ)
茶種
- 茶摘後、一定期間発酵させそのあと、釜で煎って加熱し発酵を止める製法で作られる茶。代表的なものはウーロン茶です。
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番茶(ばんちゃ)
茶種
- 緑茶の一種。一般に新芽が伸びて硬くなった葉や茎などを原料として製造するお茶。煎茶のように若葉ではなく成長した葉を原料とするため、タンニンが多く、カフェインは少なめ。甘味が少なく、軽くてさっぱりとした味わいです。
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平網(ひらあみ)
道具
- 茶漉しの種類の一つ。急須の注ぎ口部分にステンレス製の目が細かい網をかけたもの。目詰りしにくく、注ぎやすいのが特徴です。
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不発酵茶(ふはっこうちゃ)
茶種
- 茶を摘んですぐに、蒸す・炒るなどの方法で、最初に酸化酵素の働きを止めて製造したもの。一般的に緑茶と言います。さわやかな香りと、淹れたての色が鮮やかな緑色になるのが特徴です。
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焙じ茶(ほうじちゃ)
茶種
- 番茶や大型煎茶を強火で焙じ焦香をつけた茶。焙煎した香ばしい香りが魅力。水分がなくなるまでお茶を炒ることで各種の成分が減るため刺激が少なく、胃にやさしく、子どもやお年寄りにもおすすめです。
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宝瓶(ほうひん)
道具
- 煎茶や玉露を淹れる急須。一般的に持ち手が付いていないのが特徴です。茶漉しの代わりに茶葉がこぼれないよう蓋を少しずらして注ぎます。
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ポコ網
道具
- 茶漉しの種類の一つ。急須の注ぎ口の部分に、丸く出っ張った形の網がかかったもの。茶葉が張り付いて茶漉しを覆ってしまうことを、表面を膨らませることによって防ぎます。
ま
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抹茶(まっちゃ)
茶種
- 粉末茶の一つで、碾茶(てんちゃ)を大理石などの石臼でひいて微粉末にしたもの。茶筅(ちゃせん)で撹拌して飲む他、菓子や飲み物の原料としても使われています。
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廻し注ぎ(まわしつぎ)
淹れ方
- 日本茶を複数の湯呑みに注ぐとき、お茶の量と濃さが均一になるように、数回に分けて注ぎ分けること。
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水出し茶(みずだしちゃ)
淹れ方
- 冷水で浸出する日本茶。夏場のお茶の楽しみ方の一つとして、人気です。茶葉やティーバッグに水を注ぐだけで作れるので、大量に水分を摂取したいときにも重宝します。
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銘茶(めいちゃ)
茶種
- 特別に名のある上質の茶。一般に優良茶産地の日本茶の総称として使われます。
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芽茶(めちゃ)
茶種
- 煎茶の製造過程で選別された出物と呼ばれる茶葉の一種。旨みを多く含み、味が濃いのが特徴です。
や
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横手(よこで)
道具
- 急須の持ち手の型式の一種。持ち手の位置が横にある急須のことを言います。右利きの人が使いやすいように右横に取っ手がついているものがほとんどだが、左利きの人用に左横に取っ手がついているものもあります。
ら
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緑茶(りょくちゃ)
茶種
- 日本茶のうち、ツバキ科の常緑低木の茶の芽や葉を摘み取って、茶葉を発酵せず、蒸して熱処理することで酸化酵素の働きを抑えたもの。玉露・煎茶・番茶・抹茶・焙(ほう)じ茶などの種類があります。
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冷煎(れいせん)
淹れ方
- すっきりした喉越しの冷たい日本茶のこと。冷煎茶を抽出する方法は水出し煎茶、氷の入ったグラスに濃い目に淹れたお茶を注ぐなど。